平成29年度日本地域理学療法学会フォーラムへようこそ!!

平成29年度日本地域理学療法学会フォーラムの開催にあたり、ご挨拶させていただきます。

私が理学療法士になった平成12年に介護保険制度が開始され、理学療法士が病院だけでなく、医療と介護の両方の分野において地域で活動することが制度化されました。それ以降、人口構造の変化や医療技術の発展により、医療保険・介護保険制度の改定が繰り返され、地域包括ケアシステムの構築にむけて、理学療法の必要性をさらに強まってきています。

さて、平成30年度は、第7次医療計画と第7次介護保険事業計画が開始されます。私たち理学療法士に求められる役割の中で、地域で活動するという枠組みだけでなく、急性期での早期離床、病床回転率、回復期におけるADLの向上、在宅復帰率、在宅での社会復帰、活動と参加への取り組みなど多岐にわたり、地域とのつながりを重視する必要が出てきています。特別講演において、「新たな医療、介護保険制度におけるリハビリテーションの意義 -平成30年度診療・介護報酬同時改定に向けての課題-」として、現場から未来に向けて地域社会における私たち自身の社会的意義を示していただきます。

加えて、フォーラムを開催する兵庫県は、平成7年に阪神・淡路大震災で被災した地域であり、この兵庫医療大学が建っているポートアイランドも液状化現象があり、神戸大橋も不通となったため孤立した地域となりました。また、その年はボランティア元年とも言われ、市民レベルの活動も大きく変化しました。改めて、震災に限らず、災害が起きるたびに、地域のつながりの重要性を感じ、近年の核家族化、老老介護、認認介護などが社会問題となる中、市民活動の重要性、市民力の活用が見直されています。シンポジウムにおいて、「私たちの地域理学療法への挑戦」とし、今までの理学療法の一般的な取り組みだけでなく、保険制度の枠組みに限らず、より大きな社会の役割での理学療法士としての活動を紹介していただきます。

今回も、全国の皆様から日頃の取り組みなど68演題が集まり、口述とポスターでの発表を企画しました。いずれも、参加者と発表者との建設的なディスカッションを願っています。そして、全国の皆様の取り組みを深め、テーマでもあります「地域理学療法学の構築に向けて」皆様とともに取り組んでいただきたいと思います。

最後になりますが、この会場を使用させていただくにあたりご尽力いただきました兵庫医療大学の玉木彰先生に感謝を申し上げるとともに、地域の仲間たちと手作りで開催させてもらうこのフォーラムが参加者の皆様にとって、それぞれの地域に還元できるものになりますことをお願い申し上げます。

 

 

 

平成29年度日本地域理学療法学会フォーラム

フォーラム大会長 桑山浩明

(日本地域理学療法運営幹事 介護老人保健施設ローランド)